SPACIFICATION







高い走行性能を目指してFR駆動を採用した軽のオープンカー。

ルーフは普通の幌ではなく、普段はハードトップ状態となる。

3分割できるルーフパネルは左右2枚を外してTバールーフに、

さらに中央部を外してタルガトップ、

そしてガラス製リアウィンドウとロールバー部分を後方へ回転しながら

ダブルアクションで収納すればフルオープンと、

4通りのオープンエアが楽しめるのが特徴。

フロントアクスルの後方に縦置きされるエンジンは、

アルトワークスと同じ660ccの3気筒インタークーラー付きターボ。

これに5MTを組み合わせてアグレッシブな走りを楽しめる。





Specification
EA11R/主要諸元
タイプ 2シーターフルオープン
型式 E-EA11R
トランスミッション 5速マニュアル
機種記号 CAXF
寸法・重量
全長(mm) 3,295
全幅(mm) 1,395
全高(mm) 1,185
室内寸法(mm) 長さ 835
1,180
高さ 1,005
ホイールベース(mm) 2,060
トレッド(mm) 1,210
1,210
 最低地上高(mm) 135
車両重量(kg) 700
乗車定員(名)
性能
燃料消費率
(km/L)
10モード燃費 18.0
60km/h時定地走行燃費 30.5
最小回転半径(m) 4.4
エンジン
エンジン型式 F6A型
水冷直列3気筒縦置
エンジン種類 ツインカム12バルブ
インタークーラーターボ
弁機構 DOHCベルト機構
内径×行程(mm) 65.0×66.0
総排気量(cc) 657
圧縮比 8.3
燃料供給装置 EPI(電子制御燃料噴射)
点火装置 フルトランジスター式
最高出力(ps/r.p.m)ネット 64/6,500
最大トルク(kg-m/r.p.m) 8.7/4,000
燃料タンク容量(L) 30(無鉛ガソリン使用)
動力伝達装置
トランスミッション 前進5段フルシンクロ 後退1段
クラッチ 乾式単板ダイヤフラム
変速比 1速 3.478
2速 2.021
3速 1.352
4速 1.000
5速 0.790
後退 3.260
最終減速比 5.125
ステアリング歯車方式 ラック&ピニオン
ブレーキ
主ブレーキ ベンチレーテッドディスク
ディスク
制動倍力装置 真空倍力式
制動力制御装置 プロポーショニング装置
駐車ブレーキ形式 機械式後2輪制動
懸架装置
懸架方式 ダブルウィッシュボーン
ダブルウィッシュボーン
スタビライザー形式(前)(後) トーション・バー式
タイヤ 165/65R14  78H
(空気圧規定値 F1.6 R1.6)





Equipment
快適装備
エアコン
パワーウインドー
インストルメントパネル
透過式メーターパネル照明
タコメーター
トリップメーター
ウレタンステアリングホイール 3本スポーク
チルト&テレスコピックステアリング
フルエアミックス空調システム
シガーライター
インテリア
サイド兼用サンバイザー 右左
防眩式インサイドミラー
3ポジションルームランプ
ルームランプドアスイッチ 右左
ドアトリム パッドウェルダー
フロアカーペット ニードルパンチ
ラゲッジカーペット ニードルパンチ
フューエルリッドオープナー
シート
シート形状 バケット式
シート表皮 シュリンクレザー
シートリクライニング 右左
シートベルトガイド
ポケッテリア
グローブボックス(キー付)
コンソールボックス(キー付)
アッシュトレイ
エクステリア
熱線吸収ブルーガラス
回転収納式リヤウインドーガラス
リヤウインドーディフォッガー
異型4灯式ハロゲンヘッドランプ
(ロービームはプロジェクタータイプ)
ターンオーバー式ドアミラー
デタッチャブルトップ(3分割式)
間欠ワイパー
マフラーテールカバー
カラードバンパー
ドアミラー
ドアハンドル
ロッド式アンテナ
セイフティー・その他
サイドドアビーム
LEDハイマウントストップランプ
キー抜き忘れ警報ブザー
ライト消し忘れ警報ブザー
シートベルト未装着警告ランプ
スポーツペダル
フットレスト
4輪ABS
エアバッグ
(ステアリングは4本スポークタイプ)
LSD
アルミホイール
タイヤ BSポテンザ
RE96

●・・・標準 ▲・・・メーカーオプション

















K-CARスペシャル(2002年7月号)

「頭文字(イニシャル)D」作者

 しげの秀一氏へのインタビューより抜粋


「頭文字(イニシャル)D」にカプチーノが登場したきっかけとは?

自分のハチロクをメンテナンスしてくれるガレージのメカニックが、
走るのが好きでよく峠に行くんですけど、
あるとき下りでカプチーノについていけなかったことがあった、という話を聞いたんです。
そいつはFD(RX-7)に乗っていて、かなり走れるんですけど、
それでも離されてしまったという。
しかも!カプチーノのドライバーが女の子だったというのです。





それが強く印象に残っていて、ハチロクのバトル相手として登場したわけですね?

ええ、単純に次のバトル相手、速いクルマとして選んだのです。
もっともストーリー設定との兼ね合いで、色づけをしていかなければならなくて。





それは具体的にどのあたりをさしているのですか?

ひとつは、ハチロクは軽量コンパクトを武器に今までたくさんのバトルに勝ってきていますが、
カプチーノを走らすことによって、
初めて今までと逆の立場に置かれるということです。
そして、コースをストレートと高速コーナー主体としたハイスピード系ではなく、
ツィスティで狭い下りを選んでいます。





今回は、かなり主人公を追い込んだ設定になっていましたね。

そうです、オレはまともにやったらハチロクが負けると考えて、描きはじめています。





でも、結果的にはまた勝ってしまった!

やっぱり主人公は簡単に負けてはいけない(笑)。
読者からは今回負けて、いよいよニューマシンの登場だ!
という声が多かったのですが、そうはいかない!





バトル相手としては、強敵として表現されているわけですね。

はい、FDが追いつかない車ですから。
そこでカプチーノにハンディを与える意味で、路面をウェットに設定しました。
素の勝負でドライの下りではハチロクは絶対勝てない。
そんなイメージが頭の中で広がっていたんです。





そこであえてネガティブな要素をおりこんだわけですね。
カプチーノはノーマルの設定じゃないですよね?

そうです。
自分としては、エンジンチューンがされていて高回転はそれほど回らないけど、
中速域のターボパワーが優れている。
それに合わせてトランスミッションなどのギア比まで峠に合わせてセッティングされている、
というところです。





想定パワーはどれくらいですか?

スズキのクルマはチューニングパーツが揃っているから、
一応120馬力ということになっています。
パワーウエイトレシオが優れているので、ハチロクの強敵なのが分かると思います。
でも世の中的には、これでも低めの数値だったようです。
オレの設定値は、どうもいつも低めになっちゃうんですよ。
チューンドカプチーノのパワーは、もっと出ているらしいですね。
実際に三好さんが乗ってきた車のパワーはどれくらいだったんですか?





ドラッグ仕様だったんですが137馬力だそうです。
加速はすごいんですよ。

やっぱりそうでしょう。
加速でさえハチロクでは勝てないかもしれない。
ストーリー的にはハンディを与えておいて正解でしたね。





実際のカプチーノについてはどんな印象ですか?

うーん、お洒落で雰囲気があって、
晴れた日に屋根を外して走ったら気持ちいいクルマという感じですかね。
タイトで低いシートポジションがスポーティで、
バランス的にはリアタイヤの上に乗っているようなロングノーズショートデッキ、
伝統的なブリティッシュスポーツのイメージにかぶりますね。





絵を描きはじめてから何か気がついたり、印象が変化したところはありませんか?

なんかデザイナーが頑張って作り上げたクルマって感じがしました。
良く考えられていて、きれいな形をしていると、あらためて思いましたよ。





バトルは終幕を迎えたわけですが振り返って、何か感じるところはありますか?

どうやったらカプチーノに勝てるか、めったにない強力な相手として描いたので、
「頭文字D」的にはクルマのキャラクターにも助けられて盛り上がりましたね。
ストレートのスピードで勝負がつくのは避けたかったので色々悩みました。
機会に応じてカプチーノの速さや強さを強調しておいたんですが、
どこまで読者に伝わったか興味はあります。
ナンバーの色が違う軽自動車という枠は関係なく、その中にも速いクルマがあると、
世の中に向けて発信したつもりです。


インタビュアー:三好秀昌(モータージャーナリスト、元WRCドライバー)

カプチーノ編は「頭文字D」第24巻に掲載





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